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27.2019/09/27 [笑う小説]

27.それから、色々聞いてみた。なんのために行くかと言えば、ウイルスを撲滅させるために、その先発として俺を一人だけで行かせると言う事だ。
なぜ、俺一人なのかと言えば、地球人の俺は、そのウイルスに感染してもなんの影響も受けないと言う。あの1階に閉じ込められていた男はウイルスに感染していた。
あいつと俺がぶつかった時に、ウイルスが俺の中に侵入したという事らしい。
 あいつがウイルスに感染しているのは周知のことで、彼からウイルスを取り出しすぐに研究が始まり、ウイルスを殺す薬を開発した。驚く事に、その技術は、日本の医術を利用したものだという。彼らには、驚く事に医術が無かったという事だ。ウイルスに出会うまで、病気にかかったことがなかったのだ。
要するに、薬の方もウイルスに免疫力のある、あの男の体を利用したのだ。
翌日、彼らの研究所に車を飛ばした。二時間ほどかかった。林の中にあり、門の脇に山田医療研究所の看板があった。屋根も壁も白で統一された建物で、それほど大きく見えない。車が門扉に近づくと左右に開いた。車から降りると十人ほどの白衣を着た人々が出て来て、頭を下げた。次郎も新次郎もいる。俺を先頭にして建物の中に入る。
「よろしくお願いします」と次郎と新次郎がハモリながら言った。
「もしかして、今日するの」
「ええ、そのつもりでしたが、何かまずい事でもありますか」と新次郎。
「だって、聞いていないよ」
「早い方がいいですよ。まさか、その体のまま向こうに行くつもりですか」と次郎。
「そうだよね。早くやらないと、早く行けないからね。いつごろ行くのかな」
「我々の予定では、若くなったらそのまますぐ行ってもらうつもりです」と次郎。
「そんなに急ぐの、体の方は大丈夫かな」
「若くなるんですから。問題ありません」と次郎。
「じゃあ、よろしく」
「はい、こちらこそお願いします」
 というわけで、俺は丸裸にされて、長いベルトの上に寝かされた。ベルトは洞窟の中に入っていく。眩しい光が照射され、俺は目を閉じる。目を閉じ続けたまま移動している。次に身体中に板のようなものが貼り付き、沢山の小さなとげが出て来て、チクリとした。俺は眠った。
俺は目覚めた。どういう訳か、あそこも目覚めて、寝ている俺を無視して直立している。それを、みんなが不思議そうに見ている。あんまり元気なんで、自慢したくなって、微笑んでしまった。
[おめでとうございます。二十才の気分はどうですか」と次郎に言われた。
「起きていい」というと同時に、下の方がしぼんでいく。恥ずかしい気持ちになる。
「どうぞ、すぐ着代えてください」と、俺のあれを見ていた若い女性が言って目の前に俺が着る服を載せたカートを運んできた。あきれた服だ。左右に二つの服を長いチャックで繋げているのだ。下着はないらしい。人間の生理に会ってないようだ。俺はそんなに毛深くないから着れるかもしれないが、毛深い奴にこんなものを着せたら大変なことになる。この宇宙人は、頭は良いかもしれないが、同時に馬鹿でもある。

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