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5.2019/08/26 [笑う小説]

5.吉田新次郎のパチンコはすごかった。彼が進めてくれた台に座ると、直ぐさま当たりになり、それがかなり続いた。一つ離れた台の新次郎も、ちょっと遅れて出し始めた。
午後をちょっと過ぎてから、二人して飯を食った。黙ってもくもくと食った。
カレーだ。新次郎がうまそうに食っている。宇宙人らしき男がカレーを嬉しそうに食っているのはおかしいと思わない事に疑問を感じたが、どう見てもどこにでもいる、日本の男にしか見えない。おかしいと思いながら、目の前でカレーを食っている新次郎がだんだん好きになってきている。
「おい、もう十分だ」と新次郎に声をかけられた。黙って頷いた。
かなり稼いだ。二人して、15万ほどだ。
翌日は、別の店に行った。ここでも稼いだ。17万だ。帰り路、新次郎が言った。
帰り道で、声をかけた。「明日もやるのか」
「明日は別の事をする」
「なにをするんだ」
「宝くじだ」
 明日は、宝くじの販売が始まる。新聞に出ていた。
「どこへ行くんだ」
「行列のできるところにはいかない」
「なぜ」
「選べないから」
「もしかして、前にやっているのか」
「ああ、ここが好きだ」
「日本ってこと」
「そうだ。他の国も言ってみたが、ここが一番良い」
「どういう意味で」
「リラックスできるからだ」
「そうか、もしかして敵に追われているのか」
「いや、彼らは俺たちを追う気はない。俺たちの星と体を奪ったから、もう十分なはずだ」
「体を奪うって、どういう事だ」
「地球で言えば、ウイルスのようなものだが、あいつらはかなりの頭脳を持っている。俺たちの星の人間達に侵入し、自分達の好きなように扱っているんだ」
「どんな事をしているんだ」
「まあ、それがどうしょうもない事ばかりしている。かなりの頭脳と言ったが、しょせんウイルスだ。文化と言うものを持っていない。だから、体を奪われた人達は、毎日踊っている。やりたくもないのに、毎日踊っている」
「それはつらいだろうね」
「まあ、それでも、そっちが好きなやつがいない事もないが」
「さっき、俺たちって言ったね」
「ああ、ウイルスに乗っ取られていないものがいる」
「どのくらいいるんだ」
「200人から300人くらいだ。よろしく頼む」
「う~ん、そんなに沢山俺は産むのか」
「いや、産むわけじゃない。太郎の腹を通過するだけだ」
「そんな事を言っても、腹から出てくれば産んだような気になるんだよ」
「そ、そんなものか」
解説者:久しぶりです。なにを解説したらいいか分からなくなりまして、しなかったのです。それに、お笑いをするつもりが、笑えなくなったようで、済みませんでした。今回はいくらか笑えたと思いますがどうでしょうか。

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