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9.2019/08/30 [笑う小説]

9.スマートフォンが鳴っていた。眠たい目をこすりながら、返事をした。
「おはよう、新次郎だ。また、頼む」
「麗の兄さんか、どこで出すんだ」
「こっちに来てくれないか」
「わかった。いま直ぐ行く」
「ありがとう」
俺は顔を洗って、ションベンをして、服を着て、アパートを出た。もちろんコンビニによった。麗がいるアパートの前に来た時、麗に苗字がない事に気づいた。新次郎と同じ吉田で良いと思った。ドアの前に近づくとドアの方が開いた。
「まってたよ」
「ああ」
ドアが閉まった。
「すぐやるんか」
「早い方が良いだろう」
「なんだかなれたみたいだ」
「痛くないからね。一つ聞いて良いか」
「なに、麗はどうやって出てきたんだ。その前、足音もなかったから、不思議に思ったんだ」
「そうだ、見ていないんだったね。飛び出てくるんだよ。麗は俺が受け止めたんだ」
「受け止めた時、倒れたりしないのか」
「大丈夫だ。ふんわりと下りてくるから」
「それ。凄いね。なんだか見たくなった」
「ああ、見た方がいいかもしれない」
「そうするは、ウルトラマンは持って来なかったし」
「おはようございます」
麗が台所から出てきた。
「コヒーを入れたけど飲みます」
二人して、「はい」と言った。互いにニヤリとした。
インスタントでなかった。良く分からないけど、うまい。
「じゃあやろう」と、俺の方から言った。麗がまくらを用意してくれた。さすが宇宙人でも女性だ。俺の腰の右横に新次郎が立っていた。
「良いよ」と俺は言っていた。
「おう」
新次郎の掛け声とともに、寝ている俺の上の天井の一部が丸く明るくなった。俺の腹から灯りが出ている。と気づくと同時に、俺の腹から何かが飛び出てきた。素っ裸の人間の男だった。真上に上がったそいつを新次郎はただ見ているだけだった。俺もただ見ている。上半身を、お辞儀をしているように曲げて、そのまま下に居り始めた。ゆっくりと下りてきた男は股を広げて俺を跨いだ。
「初めまして、太郎さんありがとうございます」
丁寧に挨拶してくれた。しかし、素っ裸だ。こっちを向いている。股間から下がるでかい物が揺れている。茫然としながら、どうにか返事をした。
「どういたしまして」
寝ている俺の横で三人の宇宙人は抱き合って、喜んでいる。一人は真っ裸だ。上半身を起こした。三人は、口を動かしている。が俺には聞こえない。ちょっとさびしい。起き上ろうとしたら、新次郎が手を差し出してくれた。
「太郎、お前さんは俺たちにとって希望の扉なんだ。これからもよろしく頼む」
「うん、できるだけがんばるよ」
三人で、俺を抱きしめた。ちょっと、涙が出てきた。
解説:良く分からないけどお涙ちょうだいになってしまいました。

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