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18.2019/09/12 語田早雲です。 [笑う小説]

18.もちろん、パチンコをやっている。二人とは挨拶したが、もう一人の奴とは挨拶しない。代わりものなのだ。宇宙人にも変わり者がいるんだ。話をしない、というより地球人の音声に合わせられないって話だ。
無理して出すと、とてつもない高音で、俺たちの鼓膜を破るかもしれないから、一言も話さない事にしているって事だ。
ただにやけた顔だから、人に嫌われそうもない。
でも、こいつはすごい。本当のパチプロだ。新次郎の上を言っている。出る台が分かるなんてものじゃない。でない台でも出してしまう能力がある。
まあ、パチンコ屋にとっては迷惑な客だ。
でも、俺は最近やる気がなくなった。なんかつまらないのだ。最初のころはみんなのために頑張ろうと、どうにかやっていたが、確実に勝つパチンコって面白くない。それに、次郎と他の仲間たちが株で稼いでいる金額を知ると、パチンコのもうけが少なくて、なんかさみしい。
というわけで、会社に通う回数が増えてきた。でも、ここでみんなのしている事を見ても、さっぱり分からない、そんなわけで、社長室に閉じこもり、勉強を始めた。株の勉強をまた始めたが、直ぐ止めた。なにがなんだか分からないのだ。不動産の本はどうにか読める。だいたい内容も分かった。
相変わらず、彼らの仲間もお腹の上で出している。最近は周三回から四回ほどだ。このビルも最初は三階しか開いていなかったが一二階も開いた。二回は不動産を扱っている。外来者が決まっているので、一階に設けると部外者が入ってくるので、二階にある。一階は小さな会議室と彼ら専用の部屋がある。入り口と出口は鉄扉だ。倉庫という表札があるが、毎日彼らの仲間がやってきて入っている、月一ぐらいの割合で入っている。新次郎に聞いたら、地球人に変身し続ける事にいらだちを感じるって話だ、あの部屋の地球で言えばサウナみたいなものの中で、本当の自分に戻って、仲間達と休んでいると言う事だ。
それで、わかった。会社にくる彼らの様子は寂しいような悲しいのような様子だが、帰るときは生き生きとしているように見える。
このビルの後ろ側には駐車場がある。車で通って来る者がいるからだ。みんな安全運転しかしない。万一事故になって怪我をしたら、地球人ではないとばれる。車の中に閉じ込められると、大変だ。そんな時のために自爆する物も車の中に置いてあると、新次郎が言った。別の惑星の別の文明の中で少数の異星の者が生きていくことがどれほど大変なことか分かると、彼らにできるだけの事をしたいと思う。
だけど、彼らの運転する車には絶対に乗らない。俺も車を買って運転しよう、でもあのアパートじゃだめだ。
毎月の給料もかなりもらっている。何もしてないから悪いと思っていたが、いや違う。あいつらの腹出し料なんだ。ちょっと安いかもしれない。今度、次郎に相談だ。一人いくらぐらいが相場なんだ。う~ん相場はないな。


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