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23.2019/09/20  語田早雲です。 [笑う小説]

23.11時50分に、俺は外に出た。彼女を外で迎えるためだ。すると直ぐ、左側から来る歩道の上の彼女が見えた。俺は手を振った。彼女も答えた。
ビルの前まで着た彼女に、「ありがとう」と言った。彼女は頬笑みで答えてくれた。ドアを開けて、彼女を導くと、奥から来る社員が、俺達に深々とお辞儀をした。このお辞儀が社長に対する礼儀か、それとも俺の腹に対する感謝か、俺は分からない。俺も軽く頭を下げた。
エレベーターに彼女を乗せた。
「嘘じゃなかったわ。貴方ってもしかしたら凄い人なの」
「いや、だめな男だよ」
「うそよ」
エレベーターのドアが開き、彼女を社長室に導いた。ドアに社長室とアクリル板の小札がはってある。ドアを開け彼女を導く。ソワアに座って向かい合わせになる。
「食事に行く」
「でも、今の時間はどこも込むんじゃない」
「そうだね。俺正直言うとさ、高級なレストランとか行った事がないんだ。いつも小さな食堂で、昼は澄ましているんだ。かまわないかい」
「いいわよ、私もそうだから」
「なんか俺たち、気が合いそうだね」
ドアが開いた。今日俺の腹の上に出てきた女性が、入ってきた。手にトレイがある。もちろん、茶托の上に湯飲み茶わんがのっている。
「失礼します。お茶をお持ちいたしました」
「ありがとう」と俺は答えた。と、同時に驚いてしまった。こんな事まで、伝わっている。
俺と彼女の前に湯飲み茶碗」を置いてから、彼女は深々とお辞儀をし、ドアの前で、もう一度お辞儀をして静かに出て言った。
「素敵な方ね」
「う、うん」
「この会社って、なにをする会社なの」
「株と不動産と建築だよ、建築はまだ準備段階だけどね」
「あなたって、もしかしたらこの会社のオーナーでしょう」
「まあ、そんな所かな。ほとんど何もしていないからね」
「その若さで、会社を持っているなんて、すごい。お嫁さんにしてもらうかな」
「うれしいな~、でもね。俺も結婚したいけど、後一年くらいはしてはいけないと思っているんだ」
「なぜなの」
「う~ん、それはちょっと言えないな」
俺の計算では、後一年くらいで、300人くらいになる。そうすればもう出さなくて良いんだ。腹から人間、いや宇宙人なんか出してる時に、女性と一緒になんかなれるわけがない。
「じゃあ、待ってるわ」
「君ってすごいな」
「普通の女の子はそんなこと言わないよね」
「だって、あなたを初めて見た時に、何か感じたの、それに会社のオーナーよ。でも、一年くらいお付き合いしてから決めた方がいいわね」
「じゃあ、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
「ちょうど、いい時間になった。食事に行こう。なにが好き」
「なんでも好き」
「よし、行こう」
というわけで、彼女とのお付き合いが始まった。良く考えると。おかしな話だが、俺は雇われオーナーでもある。オーナーで雇われている奴なんているんだろうか。良く分からんが、彼女に嘘をついてはいないはずだ。
三週間ほどたって、運転免許所をもらってすぐ、俺の車であの家に移動した。それまでに改装は済んでいた。新築とは言えないが、趣のある高級な雰囲気がある家になった。たぶんそうだろう。
アパートに有った物はほとんど処分した。安物ばかりだ。明日、彼女をこの家絵に招待する。今日は料理の練習をする、上手いものを食って楽しく過ごすのだ。

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